第４７話　幻の将軍

放送日／昭和４２年(1967年)３月１７日

脚本／浜田稔(芹川有吾)
演出／眞野好央
美術／沼井肇
作画監督／熊川正雄

uccelloの投稿より(2003/10/19)


まずは結婚式の場面から始まります。
新郎は第１１話、２６話にも出てきたタイガー。なんと３度目の登場です。
祝福する招待客にはスーツ姿のロビンと大人っぽい装いのリリ、そしてポルト夫妻の姿もあります。２６話で二人をパルタ星から救出してくれたのはタイガーたちでしたから、ご祝儀はきっとはずんだことでしょう(笑)

結婚式が終わって、ホテル(？)でロビンたちがくつろいでいます。
リリが「私もステキなダンナさまが欲しい」と言い出し、ベルに「ロボットのダンナさまがいいの？」と訊かれます。
リリの脳裏にまず浮かんだのは、ベンケイみたいな男性ロボット。
でもすぐにうち消して、もっと若くてステキな人がいい、となりますが、リリは少なくともロビンを結婚対象とは考えていないようです。
当然といえば当然なんですけど、普段はロビンの「疑似恋人」していますからね〜、リリは。だもんで、今回これを見てちょっと複雑な気持ちになりました。


えーと、話を戻しまして．．．
タイガーの新婚旅行先の月基地で事件が発生し、夫妻も巻き込まれた様子です。
パルタ軍の残党に襲われたのでは？ということで、世界連邦長官に調査を依頼され、レインボー戦隊は月へと向かいます。

月基地は殺気だっていました。
出迎えた(というか、いきなり攻撃してきた)のはアンドレ中佐とホップス将軍の娘ミロナ。
この中佐は「チキチキマシン猛レース」のブラック魔王に似た、いかにも悪党らしい男です(笑)。
ミロナは軍人だけど、可憐なお嬢さんといった風の女性。
ホップス将軍は、皆から絶対的な信頼をされている人物ですが、病気を理由に姿を見せず、マイクを通じた声しか聞けません。

．．．いかにも怪しいです(笑)

将軍の命令で、ロビンたちとミロナはパルタ軍の基地があるという地点へ向かいます。

で、この時、ロビンとミロナはペガサスに相乗りしてます。
．．．やっぱり横に二人乗り出来るのか、ペガサスは(謎)

しかしパルタの残党などはどこにもおらず、それどころかロビンたちはアンドレ中佐の軍隊に襲われてしまいます。
彼らが放ったエネルギー吸収光線のため、ロボットたちはダウン。仲間を失ったロビンは捕らえられて月基地へ連れ戻されます。


ロビン逮捕の理由は、スパイ容疑と地球に対する反逆の容疑でした。
声だけの将軍は言います。
「ロビン、おまえはやはりパルタ人の子だな」。

ロビンが月に来たのは、パルタの残党と手を組んで地球を占領するためだ、と言うのです。
そしてこともあろうに、アンドレ中佐にロビンを銃殺せよと命令します。


ピーター(by遊星仮面)も剛兄弟たち(byボルテスＶ)も敵星人とのハーフということで、いじめられたりしていたようだけど、ここまでひどいことはされなかったと思うゾ。．．．神ファミリー(byザンボット３)だってここまで迫害はされなかったはず。

この「ロビン」の世界の地球人は一番タチが悪そうだ．．．。
もっとも、このねらいは「ハーフの差別」ではなく、じゃま者を始末したかっただけ、と後でわかるのですが．．．。

ミロナは自分の身体を盾にして必死でロビンをかばいます。「ロビンがパルタ軍の攻撃から地球を守ったことを忘れたの！？」。これには銃を構える将軍の部下たちも動揺し(そりゃそうだ)、ひとまず処刑は延期されます。

地下牢に閉じこめられたロビンのところにミロナが助けに来ます。さすが名将軍の娘、勇敢です。が、見つかってつかまってしまいます。
今度はミロナにも止められません。しかし処刑が執行されようというときに飛び出してきたのがタイガー。あっという間に兵士たちを蹴散らしてしまいます。
いざという時ホントに頼りになる男だねえ、君は(笑)


３人はひとまず荒野に逃げます。タイガーの話から「パルタの残党ウンヌン」は、地球に反乱を企てたアンドレ中佐の狂言とわかります。そして、基地にはタイガー夫人や民間人が監禁されており、急いで救出する必要があることも。

３人は通りかかった軍のトラックの積み荷の燃料をブン取り、ダウンしていたロボットたちを起動させようとします。が、その最中に中佐の軍が攻撃してきます。

この時ロビンは、うつぶせにしたリリの背中の穴にホースを突っ込んで燃料をザバザバ注入してます(汗)
たしかに彼女もロボットではあるわけだけど．．．。相手がベンケイやウルフだったら違和感ないんだけどねえ。

なかなか起動せず、あわや！という時になってバタバタっと立ち上がるやいなや戦闘態勢にはいるロボットたち。
レインボー戦隊は７人そろえば強い強い(笑)。襲撃してきた中佐の兵士たちを倒し、月基地に監禁されている民間人たちを救出します。アンドレ中佐の悪事もここまで。


本物の将軍はすでに病気で死んでいたことがわかります。これまで命令を下していたのは、変声機で将軍になりすましていたアンドレ中佐だったのです。
基地を立て直すために残るというミロナを励ましたロビン達は、タイガー夫妻のロケットと共に地球に帰っていくのでした。

．．．ふー、これで３０分。濃い話ぜ。
御精読ありがとうございました。


スタッフは、脚本：浜田稔(芹川有吾)、演出：眞野好央となっています。
パルタ編のエピソードが絡んだ話で、タイガーは出てくるし、敵星人とのハーフというロビンの重要なキーワードもあります。
これが第４７話目。次の４８話が最終回だったわけですが、もう少しでちょうど４クール終了になるところでした。
もしかして「幻の将軍」は「幻の最終回」にからんだお話だったのかも．．．？？？。


〜補足です〜

★ロビンがパルタ人のハーフである事実を外部の人間も知っていることが、今回初めて明かになっています。
．．．ロビンはいつカミングアウトしたんだろ？　本人がこのことを気にしている様子はまったくないとはいえ、常識的に考えて、パルタ戦争の後なのでしょう。


★月の様子ですが、基地の外も岩だらけながら、誰も宇宙服は着ていないので、テラフォーミング(居住可能な環境に改造すること)済みのようです。
．．．が、よく考えてみたら、ロビンは以前から生身で宇宙遊泳しているのでした。．．．ここは宇宙空間そのものがテラフォーミングされている世界なのかも．．．(汗)


★将軍が偽物だと見抜くきっかけになったのは、ミロナが持っていた「超小型録音テープ」でした。
ミロナが赤ん坊の頃の将軍の声を録音したもので、彼女はそれを大きなペンダントに入れて大切に持ち歩いていました。
超小型と言っても現代の小型記録媒体と違って、昔のテープレコーダーの、巻いたテープのミニチュアみたいな感じです。
これが放送されていたのは昭和４２年(1967年)。当時はカセットテープは発売されたばかりで一般的ではなく、録音といったらオープンリールのテープレコーダーが普通でした。


★作監の熊川正雄さんは日本のアニメの基礎みたいな人らしいです。．．．というか、古すぎてよくわからん(汗)
一方、原画を描かれていたアニメーターの中に、故・小松原一男さんがおられます(第３９話「恐竜ロボット現る」でも原画を描かれてます)。
のちに永井豪や松本零士系アニメで一躍有名になった方ですが、今回の絵を見てもそれっぽいのは感じられず．．．私としてはそれがちょっと．．．というか、かなり残念でした。

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