第１８話　危険への招待状

放送日／昭和４１年(1966年)８月２０日

脚本／小島和彦(飯島敬)
演出／茂野一清
美術／沼井肇
作画監督／鈴木伸一

　　文責：uccello(2006/12/24 )　


とある静かな夜、空き地に巨大なテントが張られようとしています。どうやらサーカスのテントのようです。
作業しているのはサーカス団のメンバーですが、でもなんだか怪しい感じです。
いったい彼らは何者なのでしょう？？

レインボー邸に郵便屋さんが手紙を届けにきます。この世界でもまだ手紙は健在のようです。
中に入っていたのはサーカスの招待状。みんな大喜びです。
でもその日、ロビンは世界連邦長官との大事な会議に出席せねばなりませんでした。
自分のことは気にしないで楽しんで来るといいよと言うロビンに対し、真面目なウルフは、オレたちだけ遊びに行くわけにはいかないときっぱり。リリ、教授、ベルもしぶしぶ従います。
そこでロビンは「じゃあこれはいらないね」と、招待状を破って捨ててしまいます。

それでもどうしてもサーカスに行きたいリリたちでした。
ロビンが出かけた後、リリは破いた招待状を復元光線で元に戻し、リリ、教授、ベルの３人は、ウルフをだまして家を抜け出し、サーカスを見に行ってしまいます。

ところが、レインボー戦隊を招待したサーカスは、実はパルタ軍の対レインボー用の特殊部隊でした。
．．．さすがに第１８回ともなると、パルタ軍もいろいろ手の込んだことを考えつくようです。

入り口にいた係員．．．実は見張り役のパルタ兵は、やってきたリリ、教授、ベルを見て、奥にいた仲間に報告します。でも「２人と１匹ってとこかな」なんて、ちょっと失礼なヤツです。
特殊部隊の第一目標はロビンだったようです。もし予定通りロビンが来ていたらどうするつもりだったのか気になるところですが、とにかく急遽、作戦は変更になりました。

さて、ショーが始まりました。サーカスには付き物の猛獣の火の輪くぐりです。
このライオンなどはパルタのバイオテクノロジーで作られたものか、あるいは精巧なロボットかどっちかなんでしょうが、何も知らない３人は大喜びです。
出し物はマジックショーに代わります。魔術師は団長のキオン。シルクハットにマント姿、サリーちゃんのパパにちょっと似た感じの怪しい紳士です。
教授はお手伝いとして舞台に上がることを頼まれます。生き物のように空中に向かって延びてゆく紐の先端に上って、マジックの種と仕掛けを探る役です。
器用に綱を上っていく教授。とうとう先端にたどり着きました。でも何の仕掛けも見つかりません。

続いて、今度はリリが瞬間移動のマジックのお手伝いを頼まれます。
大きな箱ににリリが入り、蓋が閉じられます。
相手は実はパルタ軍ですから、このままリリが消えてしまう展開になりそうな感じもしました。でも次のシーンでリリは別の場所に無事姿を現します。教授とベルは喜びますが、テレビの前の良い子たちもほっとしたことでしょう。

リリは手伝ったお礼として、サーカス団から可愛いフランス人形が贈られます。


リリたちが家に帰ると、当然ウルフのお小言が待っていました。でも素直に謝るリリたちに、ウルフの怒りも納まりました。
そこにロビンも会議から帰ってきました。
全員そろったところで、ロビンは会議で決定されたこと．．．レインボー戦隊は火星に出来たパルタ基地の調査を依頼されたことを皆に伝えます。
つまりこの間は地球を守るのは連邦軍だけということになります。もしこのことがパルタ軍に知れたら一大事という極秘の任務でした。
そんな大事な話の最中にも、リリはプレゼントの人形に気を取られています。
ロビンはそんな彼女をきつく叱りつけます。


．．．この人形、もちろんただのプレゼントのはずはなく、盗聴器が仕掛けられていました。
ベルも気が付かなかったくらいですから、よほどよく出来ているのでしょう．．．はともかく、ロビンの話はパルタに筒抜けになってしまっていました。
火星の基地にいたデビル２０号は、レインボー戦隊が留守の間に地球を攻撃することを決定、部下であるサーカス団員に帰還を命じます。
その夜、サーカスのテントを突き破ってロケットが宇宙へ飛び立っていきました。

さて翌日。いざ火星へ出発という時になっても昨日のマジックの謎を考えていた教授は、ベンケイのおなかに入りそこなって墜落、自分の足のジェット噴射器を壊してしまいます。
とても微妙な壊れ方をしたらしく、リリでもすぐには治せません。
頼むから連れていってくれ〜〜と懇願する教授に、飛べない教授を連れていくわけには行かないと、ロビンは教授にお留守番を命じて出発してしまいます。
その判断もわからないでもないけど、いつものこととはいえ、なんともクールなロビンくんでした。

一方、レインボー戦隊が火星に向かったことを確認したパルタ軍は、宇宙空間に続々と集結し始めます。

家に戻ってもあきらめきれない教授は、なんとか空を飛ぼうとします。が、飛ぶには飛べてもコントロールが効きません。部屋のあちこちにぶつかったあげく、プレゼントの人形に激突してしまいます。
壊れた人形の中は変な機械で出来ていました。それを見た教授は、これが盗聴器が付きのスパイ人形だったことに気づきます。

．．．ということは、ここでの会話は全部パルタに筒抜け！！
大変だ、早くロビンに知らせないと！！


しかし通信機のスイッチもマイクも高いところにあって、チビで空を飛べない教授には手が届きません。
苦労の末、世界連邦へ電話連絡を入れることは出来ました。でも、もうずいぶんと遠くまで行ってしまっているロビンたちのところへはなかなか連絡がつきません。

そうこうするうちに、パルタ軍は地球を占領しようと大群で襲いかかってきました。
世界連邦の防衛軍も必死に戦いますが、レインボー戦隊抜きではパルタの敵ではありません。
高笑いするデビル、頭を抱える世界連邦長官、地球の運命やいかに！！


教授の奮闘のおかげか偶然か、通信機はついにロビンをとらえます。地球の危機を知ってレインボー戦隊は急遽引き返します。
どのあたりまで飛んでいっていたのかわかりませんが、すぐに激戦の現場にやってきます。
レインボー戦隊の姿を見て震え上がるキオンたちに、デビル２０号は秘密兵器である新型冷凍砲を使えと叱咤します。

ロビンとペガサス、ベンケイ、ウルフがパルタ円盤をバタバタと打ち落としていきます。
デビル２０号も冷凍砲で反撃、直撃されたペガサスはエンジンが凍りづけになって墜落しそうになりますが、リリのおかげですぐに回復します。(ちなみに中の人は何ともないようです)　
それを見たデビルは「この修理屋ロボットめ！！」　とリリを狙います。
いや〜修理屋じゃなくて看護婦ロボットと言ってほしいわ．．．なんてツッこんでいるうちに、今度はリリが凍りづけになってしまいました。(凍って機能停止したリリはベンケイがキャッチ！)
冷凍砲でさんざんレインボー戦隊を苦しめたパルタ軍の母船も、ロビンとペガサスの活躍で爆発、消滅します。


場面はレインボー邸の中です。ベッドに寝かされているリリを、仲間たちが心配そうに見守っています。
いつもは憎まれ口ばかりたたいている仲間たちも、目を覚まさないリリを気遣って褒めちぎり、しまいにゃロビンまで歯が浮きそうな台詞をさらっといってのけたりします(笑)
でも実はロビンには彼女の狸寝入りがお見通しでした。

うーん、この回は教授大活躍の回だと思っていたのに、ラストはリリにおいしいところをかっさらわれてしまいましたわ(笑)

リリ最強！いや、最高！！

おしまい


〜補足＆蛇足〜

この回はスタジオゼロが作画を担当している第一回目です。
作画監督の鈴木伸一さんは「ロビン」の原作者の一人です。．．．けど、マンガのゼロ版レインボー戦隊のバリバリのＳＦマンガのイメージとは違って、アニメのこれはギャグマンガっぽい絵柄になっているのが、考えてみるとちょっと不思議です。

脚本は「小島和彦」こと飯島敬さんが担当。各キャラの茶目っ気たっぷりの台詞に注目です。
届いた手紙についてあれこれ想像するロボットたちに「残念でした〜」と、おどけてみせるロビン、サーカスのショーのお手伝いをしたと言うリリに対して「アクロバットの手伝いかい？」なんて聞くウルフ(嘘を付いてサーカスに行ったという弱みがなければ、ビンタは必至だったはず)、偽サーカス団の団員たちの会話も洒落ています。

極めつけがラストでリリに話しかけるロビン。こんなキュートな彼は他では見られません。
ラストのロビンとリリの会話だけでも萌えられること間違いなし！？

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